Ryzen 7 5800X3Dの再投入には相当な再設計。TSMCの旧積層プロセス停止が背景

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AMDは、2022年4月に発売されたRyzen 7 5800X3DをComputex 2026で再投入しました。単純な再生産に見えるものの、TSMCの当時の積層プロセスがすでに利用できなくなっていたため「相当量のエンジニアリング作業」が必要だったことを、同社のDavid McAfee氏が明らかにしています。

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Ryzen 7 5800X3Dの再投入には相当な再設計が必要だった

Ryzen 7 5800X3Dは2022年4月に発売された、AM4プラットフォーム向けに3D V-Cache(CPUに大容量キャッシュを積層する技術)を搭載する8コアCPUです。高いゲーミング性能で人気を集めましたが、ここ2年ほどは供給が不安定で、過去1年間はほぼ完全に品切れの状態が続き、中古市場では最大800ドル(約13万円)で取引されるほど価格が高騰していました。

今回の再投入はDDR5メモリの価格高騰に対抗する狙いがあり、DDR5環境への移行コストを避けたいAM4ユーザーにとっては、プラットフォームを維持したままゲーミング性能を底上げできる現実的な選択肢となります。

再設計は初代の積層設備が停止し第2世代プロセスへの移行が必要に

McAfee氏によると、Ryzen 7 5800X3DはTSMCの「SoIC(System-on-Integrated-Chips)」と呼ばれるハイブリッドボンディング技術で製造されており、2枚のシリコンを接合してTSV(シリコン貫通電極)で電力を共有する構造を採用しています。この接合技術はRyzen 7000シリーズへの移行時に変更されており、初代5800X3Dで使われた第1世代と現行の第2世代とでは、シリコン同士の接合・積層のされ方が大きく異なるとのことです。

そのため、第1世代の製造設備が稼働を終えた時点で、5800X3Dを第2世代の積層プロセスへ移行できるのかを検証するところから、まとまった開発作業が必要になったと説明しています。再投入にあたっては積層プロセスの検証をやり直し、サンプルを製造して信頼性をテストしたうえで、改めて量産へ乗せる工程が水面下で進められていたとのことです。

こうしたパッケージングの変更が、Ryzen 7 5800X3Dや5700X3Dが市場から姿を消していた一因とみられます。

今回のRyzen 7 5800X3Dは単なる再生産ではなく積層プロセスを一から作り直す必要があった点を踏まえると、ほかの旧世代X3D製品を同じように復活させるのも容易ではありません。それでもAMDが相応のコストをかけて再投入に踏み切ったのは、DDR5の価格高騰でDDR4対応のAM4環境への需要が根強いことが背景にあるとみられます。

なお、Ryzen 7 5800X3Dは349ドルでの販売が告知されていますが、日本でAMD製品発売当初は1ドル200円換算で計算される傾向があるため、約7万円での販売になると見込まれます。ただ、そのあとは値崩れし、実際の為替レートに近づく価格に調整されるため、DDR4やAM4をそのまま使い、CPU性能をアップグレードしたい場合には最適な選択肢になると言えます。

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