グラフィックカードが2026年下半期に再び値上げされる可能性が出ています。AMDはVRAM価格の一段の高騰を背景に、GPUとVRAMをセットで供給する価格を第3四半期にも10〜15%引き上げるとの観測が浮上しており、一方のNVIDIAは現時点でAIBへ値上げを通知していません。
下半期もVRAM調達コストの上昇が続く
グラフィックカードは2025年秋以降、データセンター向けDRAM需要の急増を発端とするメモリ高騰の直撃を受けてきました。GPUとVRAMはキットとしてAIBへ供給される仕組みで、GDDR6のスポット価格は1GBあたり2.5ドルから7.5ドルへと約3倍に跳ね上がり、AMDは2025年11月の時点で各社AIBへ供給価格の引き上げを通知していました。
この第1波がひと段落した後も、メモリ価格の上昇は止まっていません。Silicon MotionのWallace Kou氏は2026年下半期もメモリ価格は上昇基調が続くとの見方を示しており、VRAM調達コストの再上昇が下半期のグラフィックカードに第2波として及ぶ構図になりつつあります。
AMDは7月にも10〜15%値上げか、NVIDIAは沈黙
AMDは下半期もVRAMチップの価格が上がると見込んでおり、GPUとVRAMのキット供給価格を2026年第3四半期、早ければ7月から10〜15%引き上げる可能性があるとされています。ただしこの情報は確定したものではなく、上げ幅も含めて流動的な段階です。
一方のNVIDIAについては、下半期の値上げに関する通知は出ておらず、AIB各社も連絡を受けていないとのことです。そのため、メーカー・流通とも公式情報を待つ間、各社が下半期の値上げを見越して在庫量を自己判断で決める状況に置かれています。ただNVIDIAは静観しているわけではなく、5月13日からRTX 5090シリーズのAIB向け卸価格を約5万円引き上げており、より高価なGDDR7を使う分、下半期に追加の値上げへ動く余地は残されています。
10〜15%は末端価格にどう響くか
現在、AMDの主力であるRadeon RX 9070 XTは最安で9.3万円前後、主流価格は11万円台で購入できます。供給価格が10〜15%上がった場合、製品価格にも数千円から1万円規模の上乗せが生じる計算で、VRAM容量の大きい上位モデルほど影響は大きくなります。NVIDIA側はRTX 5090の最安モデルが既に70万円に迫っていますが、既に価格が大きく値上がりしているため、販売面の影響を考えるとこれ以上の値上げは難しくなってきているとも言えます。
なお、メモリ不足は2028年頃まで続くとも言われているため、特に影響を受けやすいグラフィックカードなどは値下がりを待ってもメリットを得にくい状況が続きます。そのため、RX 9070 XTのように現状9万円台で狙える製品は、下半期に上振れする前に早めの確保が無難といえそうです。
